優しくて可愛くてかっこよくて大好きな夫と死別しました

事故か自死か。夫が消えた人生をこれから歩みます。なんて自分が書いてることが信じられない35歳です

亡くなりたて

嬉しかったこと

これまで、私と夫の関係は周りにちょっと誤解されている節があった。 それをなかなか言語化することが怖くてしていなかったけど、改めて文字に落とすならば、2人の中でもしっかり者が私で、夫は私におんぶに抱っこで頼りないと思われていたと思う。もっと言…

タイムトリップしてる

だめだなあ。 やっぱり全然受け入れられないや。 私は転勤があるまでずっと実家暮らしだったから、夫とは都内でデートをして、夜は1時間くらいかけて実家まで帰ってた。今も実家にいると、その頃に戻ったような感覚で、家族も私を35歳の未亡人扱いせず、学…

小沢健二

夫を感じるもの。 写真や動画みたいに夫の表情や声を見せてくれるもの、 服や靴みたいに夫の姿を思い出せるもの、 家の中の小物や雑貨みたいに可愛いものが好きだった夫を思い出すもの、 手紙みたいに夫がわたしへの気持ちを記してくれたもの。 どれも亡くな…

治療に向き合う

今朝は体が鉛のように重たかったけど、朝から祖母の通院の付き添い。出発時間の1時間前から起きるように声かけてもらってたけど、全身が布団と一体になってるくらい重かった。起きるには地面丸ごと起き上がらないと無理だなと思った。それでも出発6分前に起…

写真に救われたこと

今日は仕事の後、夫と撮った写真や動画をたくさん見た。 交際当初の依存関係だった10代から、ぴったりの波長にはしゃいだ20代前半、就職して少し大人びた20代後半と、優しさと包容力が表情にでてきた30代前半。時系列でいろんな姿を見せる2人の写真は、5万枚…

間違って帰還した浦島太郎子

自分の人生をまるごと変えてしまう夫の死からまもなく2週間。 なんだかもっとずっと長い時間、この闇の中にいる気がしてしまう。 夫が病と闘っていた2年間は、世間から切り離された激情の世界に2人で生きていたから、久しぶりに超平凡な淡々とした日々に舞い…

人の死を実感するとは?

前言撤回。人が亡くなったことを実感って、やっぱりできないのかも。 自分にとって大切だった人で、これまで亡くなった人たちを思い出す。ひいおばあちゃん、おじいちゃん、おばあちゃん、大叔母さん、大伯父さん、おばさん・・・・同年代で亡くなったのは、…

彼女の顔が可愛くない

もうこれはまったく意味も意義もない戯言なんだけど。 私はずっと夫が自分にとって唯一無二だと思っていた。出会う前は、こんなに誰かのこと好きになる自分なんて想像したことがなかった。交際期間中から、夫のことが大好き過ぎて、毎日どんなに忙しくてもデ…

山盛りのお菓子

夫が死にたくてしょうがなかったのなら、すべては夫の意志だった、夫は楽になれたんだと解釈して、自分を慰めることもできるのだけど。 夫が亡くなる直前につめた荷物には、まだ今日も明日も楽しんで生きていくためのものがぎゅうぎゅうに詰まっていた。甘い…

この状況下で働ける方がおかしい

仕事がどんどん溜まっていく。 久しぶりにがっつり会議などに出て、事案の担当者として四方八方から質問や方針の提示を求められた。これまで会議が苦痛に思ったことなんてなかったけど、他の出席者が話す問題提起や懸念がまったく頭に入らず、それでも持ち前…

亡くなったことの実感

昨晩は夜中遅くまで義父母と話をしていた。夜更けの1時も過ぎて、義父母は気力を消耗しきって就寝した。私はそれからシャワーを浴びて、お風呂を上がってから、また濡れた髪のまま、しばらく夫の部屋で過ごした。夫が体調を崩してからよく座っていた定位置に…

エピソードの大放出

夫が亡くなって初めて、今晩は二人で住んでいたアパートに泊まる。夕方4時に義父母と駅で落ち合ってアパートに向かい、夕飯はデリバリーを頼んだりしながら、夜中まで夫について話した。 夫の良い話だらけにしたかったけど、やっぱり途中で色々な思いが浮か…

夫の最後の場所

今日は夫の遺品整理のためにアパートに一時帰宅。まもなく義父母が到着するので、3人でしんみりした夜を過ごすのだと思う。あの時誰がこうしていれば、なんて話し始めたら、したくない批判をお互いしてしまうかもしれないから気をつけよう。私も、恐らくご両…

力になるということ

夫が亡くなって1週間くらいは、自分も、家族も、友人も、みんな悲しみに暮れていた。 みんなが目の前の手仕事を止めて、1週間という時間を丸ごと費やして、夫の心の苦しみについて一緒に考えてくれた。心の中を夫のために空けてくれて、毎朝毎晩、夫について…

落ち着いて考えられる環境

忌引きの間はただただ実家の両親や祖母におんぶに抱っこで面倒を見てもらい、私の脳は夫について考えることにほとんど充てられていた。 もしアパートで1人だったら、悲しみの沼にどんどんハマってしまって、きっと考えるということはできなかったと思う。今…

写真を撮る

夫が亡くなった瞬間も思ってた。 この場面を写真に撮っておきたいと。 でも、不謹慎と思われると思って、撮れなかった。 なんでかわからないけど、今も猛烈にあの場面を写真で見たいと思う。警察の人は写真を撮ってただろうから、分けてほしいくらい。頼んだ…

自分が死んだら思われたいこと、思われたくないこと

わたしが夫の立場だったら、今頃夫にどんな気持ちでいて欲しいかな。 ◆思って欲しいこと ・好き好き会いたい、死ぬほどみんみんに会いたいと泣いて欲しい ・ああいうところ好きだったな、ああいうところ可愛かったな、ああいうところが愛しかったなと私のよ…

夫にもらった愛、それは自分のことも好きになること

これまでずっと、私の人生って恵まれてるなあって思ってきた。 環境的にも、経済的にも、あと自分が持ってる能力や容姿にしても。飛び抜けてどうこうという話じゃなくて、劣等感や自信のなさでつぶれそうな気持ちになったことだってあるけど、それでも生き生…

夫について聞かれたときの答え方

今週仕事を再開すると、本当にいろんな人から色々聞かれそう。 ここしばらくとても心配してくれる先輩がいて、何度かメッセージをもらったのだけど、ちょうど夫が亡くなった直後だったのでなんとも返信できずにいた。 そうしたら、先輩は別の先輩から夫の最…

ぽっかり空いた穴

心にぽっかり穴があいた、なんて表現、誰が思いついたのだろう。 夫が使っていたケータイ、夫が丁寧に畳んでしまっていた靴下、下着、Tシャツ、愛用していたマグ、一緒に買ったメガネ、小さく可愛い文字で書いたメモ、そのどれを見ても、これからおじいちゃ…

家の傷は2人の軌跡

夫と過ごしたアパートに戻ると、あらゆる感情がこみ上げた。 夫と過ごしたアパートには良い思い出なんてないと思ってた。 ご近所からの目が怖くて、いつも目を伏せて歩いた。夫の存在をこれ以上責められたくなくて、詮索もされたくなくて、ずっと早くここか…

絶望と自分

絶望の底にいる時に、「きっと数年立てば、この闇も明けるだろう」なんてゆったり構えられる人はいない。その中で感じる絶望だけが自分にとって真実で、目前に無限の暗闇が広がる。そんな真っ暗闇の中にいる自分に対して、「きっといつか世界が明るくなるよ…

幸せの形

今週は夫の両親が夫の遺品整理のためにやってくる。 遺品整理というと大変に聞こえるけど、夫の部屋に並べられた箱に丁寧につめられたものを3人で取り出して、夫が込めた思いを一つ一つ見て、夫について話す時間になるんだろうな。きっとそれぞれの品物につ…

やっぱり朝もつらい

朝起きたときに感じるこの直球の悲しみってなんなんだろう。 寝起きで気持ちが混乱してるのかなと思う反面、本当の感情はこっちで、ただ日中は理性でなんとかカモフラージュしてやりくりしてるのかなとも思う。 今日の悲しみは、夫を苦悩したまま死なせてし…

考えることがありすぎる

何もしてないのに毎日すごく眠たくて、朝も結構遅くまで寝てるし、夜も布団でコロリと眠ってる。同じような境遇にあった人のブログにたくさんパワーをもらってるけど、亡くなった直後の記事を読むと、ほとんどの方は不眠になる時期があるみたい。今くーかー…

朝と夜がつらい

朝のつらさは少し慣れた気がする。 なんでも最初が一番つらくて、2回3回と経験すると慣れてくる。 夫が亡くなった当日も、その翌日も、これが細部までよく出来すぎた夢だったらよかったと思っていた。目が覚めたら、夫という存在が復活した世界になっていた…

記録魔

過去に思い立ってブログを書こうと思って開設したことはあったけど、3日坊主どころか投稿2回くらいで終わってしまったように思う。 夫との闘病が始まってからも、ブログは特にやらず、ひたすら自分のパソコンに日記をつけていた。喜怒哀楽がブンブン振れる日…

「思い出の中で生きたくない」

私の仕事は安定している。 それなりにやりがいも感じてきたし、評価もされてきたと思う。 でも、「みんみんには何かもっと合う仕事がある気がする」と夫に言われたことを思い出した。 私は一言で自分の性格を表すことはできないけど、これと確信したことがあ…

夢を見たい

今日は夫が実家に遊びにくる。 いつも緊張しちゃうから、遊びにくることを説得するまでが大変。 あの手この手で乗り気にさせて、なんとか体ひきずってやってくる。 「夫くんは何時頃着くって?」 「ん〜、聞いてみる。。。なんかトイレ長引いて今〇〇駅あた…

夫の現れ方

夫が亡くなった日、昔、事故で亡くなった祖父の話を母と祖母がしてくれた。 私も大好きだった祖父は、会社からの帰り道に事故に巻き込まれて亡くなった。 「亡くなった翌日、家の網戸に虫が飛んできて、ずっと離れないの。あれはおじいちゃんだったんじゃな…