優しくて可愛くてかっこよくて大好きな夫と死別しました

事故か自死か。夫が消えた人生をこれから歩みます。なんて自分が書いてることが信じられない35歳です

タイムトリップしてる

だめだなあ。

やっぱり全然受け入れられないや。

私は転勤があるまでずっと実家暮らしだったから、夫とは都内でデートをして、夜は1時間くらいかけて実家まで帰ってた。今も実家にいると、その頃に戻ったような感覚で、家族も私を35歳の未亡人扱いせず、学生時代みたいに接してくれるから、完全にタイムトリップした感じになってる。

少し夫の写真から離れて過ごしていると、ただ20代の頃のなんということはない週末のようで、夫は一人暮らしのアパートで平和な夜を過ごしているように思う。このあと電話しよ〜とか、明日はデートだから今晩からお弁当とケーキの準備しなきゃ、なんていつものように考えを巡らせたくなる。

人間一般なのか、私特有なのかわからないけど、新しい環境にすぐ慣れてしまって、それが普通になる。あんなに苦しい闘病期間に、あんなに世界観が変わったのに、またその前の夢のような時代に感覚が戻っている。夫を思い浮かべても、やっぱり思い出すのは穏やかなで幸せな頃の表情。全てが良い時代にタイムトリップしていて、夫が亡くなったことを信じることも、受け入れることも、尚のこと難しくなってる。

亡くなった直後に、自分の中で悲しみと共に、力の抜けたような感覚があった。あまりにも大変な時間を過ごしてきたのに、それが唐突に終わったから。でも、今その大変な時間の記憶がサーっと引いていって、夫との良い記憶、良い思い出だけが浮かんでくる。

こうなったら、しばらく現実逃避でもしていないと、夫の死を受け入れることなんて難しいな。そうしていても、虚しくて、悲しいんだけど。救いようは、ないね。