優しくて可愛くてかっこよくて大好きな夫と死別しました

事故か自死か。夫が消えた人生をこれから歩みます。なんて自分が書いてることが信じられない35歳です

ぽっかり空いた穴

心にぽっかり穴があいた、なんて表現、誰が思いついたのだろう。

 

夫が使っていたケータイ、夫が丁寧に畳んでしまっていた靴下、下着、Tシャツ、愛用していたマグ、一緒に買ったメガネ、小さく可愛い文字で書いたメモ、そのどれを見ても、これからおじいちゃんおばあちゃんになるまで一緒に過ごすと思っていた持ち主がこの世から消えていることに、愕然として、呆然として、「心にぽっかり穴が空いた」ように感じる。

 

夫がこの世にいないということが信じられない。

夫がこの世からいなくなった方法が、あれほどに凄惨な方法であったことが信じられない。

私が隣にいながら、夫の生涯をこんな形で終わらせてしまったことが信じられない。

ぜんぶ全部、信じられなくて、まだ受け入れてもいない。

闘病の2年間も去ることながら、終焉の場面は闘病期からもある種断絶されて、まったくもって信じ難いほどの衝撃性を備えている。

わたしはそんな衝撃的な事象を目の前で見たことは人生で一度もなかったし、その犠牲となったのが自分の愛する人であった、ということは、人生で抱えていくにはあまりに重たくむごい事実だ。

これを受け止めて、理解して、咀嚼していきたい。感受性のアンテナに緩衝材でも巻かれているような今の状態を抜け出して、もっと自分の肌で、全身で、起こってしまったことを体感したい。まるでカービィが目の前のアイテムを吸い込むように、私もあの時の全てを吸い込んで、飲み込んでしまいたい。切り離したかった初日から、吸い込みたいとまで思う今日まで、本当に真反対のことを思う自分が不思議でならない。