優しくて可愛くてかっこよくて大好きな夫と死別しました

事故か自死か。夫が消えた人生をこれから歩みます。なんて自分が書いてることが信じられない35歳です

2020-01-01から1年間の記事一覧

テロップ職人がいる

昨日はたくさんお酒を飲んだ。夫が亡くなってから、一番たくさん飲んだ。お酒を飲んで、夫についてはあんまり考えなかったけど、酔っ払う感覚もなかったな。 夜中には隣で寝てるおばあちゃんが頻繁に唸ったりして、私も何度か目が覚めた。眠りと目覚めの間を…

美少年

今日は日中は泣かなかった。クリスマスってだけで気持ちがつらいから、ストッパー発動かもしれない。夫の荷物に目をやって、今日ばかりはどっかにいることにしとこうかなと思った。今日は、このまま涙もなく1日を終えようかな。きっと、今日の私ならそうでき…

現世とあの世の嫉妬心

よく、恋人や配偶者が亡くなった後に、亡くなった相手が天から「いい人みつけてね」と思ってくれてるはず、と聞く。そう思い合えるカップルは確かに多いと思う。残された方としても、できればそう思ってほしいと思う。でも、私の夫の場合、そんな気持ちにな…

霊界のサードウェーブ・コーヒー

夫が亡くなる前の最後の瞬間、夫はどれほど悲しかっただろう、苦しかっただろう、悔しかっただろう?夫が亡くなってから、ずっとそのことばかり考えていた。最後の瞬間に夫を覆った感情は、どんなものだったのかとか、とても抽象的で、圧倒的で、夫をまるご…

可愛さの復活

何日か前、自分のブサイクさにハッとしたことを書いた。 なんでかなって思ってたんだけど、昨日鏡を見ていて、謎が解けた。 前の自分となんか違うぞ、悲しみで全体的に顔が下がってる、とかだけじゃない。 よーく見つめて、思った。 「ん・・・・なんか、顎…

強者のポリシー

仕事をしていると思う。嫌な人なんて、この世の中にいくらでもいる。 嫌な人にこそバチが当たればいいなと思ってるけど、私が知ってる嫌な人は、全然バチなんてあたりそうもない。少しでも抵抗をかぎ取ったら、どこまでも私を追いかけてくる。目つきが殺気立…

うじうじ

今日は結構、まずいかもしれない。 いつだって夫が恋しい。夫に会いたくてたまらない。でも、今日は、その会いたい気持ちがフッと湧いた。「あ、会いたいな」って。なんだかとても軽く湧いて、自分はまだ夫がこの世にいることを求めているなと感じた。それく…

恨みながら愛す

今日はイヴなのか。 外出しなくてよくて、良かったな。クリスマス気分ほど今見て悲しいものはないな。夫も私も、一番好きなイベントだったし。意味もなく明るく楽しく幸せなんだもん。それはもう、そこはかとなく。 2か月前の今日、最後に夫に会った。あの時…

比べてしまう

全然比較しなくていいことなのに、悲しみの比較をする自分がいる。 同じ夫が亡くなるでも、こんな死に方だったら心持ちが違うのになとか、これだったら割り切って前を向く自分を許せるかも、とか。 でも、それってきっと人それぞれだし、隣の芝は青いみたい…

自分を救いたくない

夕方、気持ちが少し上向いて、自分を慰める文章を書いたのだけど、少ししてすごく嫌な気持ちになって、消してしまった。やっぱり今の私は、自分自身が慰められることをよしとしないらしい。自分は救われたいけど、自分を救いたくない。救えなかった夫の隣で…

家族ネタは検挙

ずーーーーーん。 どよーーーーーーーん。 がびーーーーーーーーん。 夕方に差し掛かって、目先20cmにある夫の遺影を見ていると漂う気持ち。 闘病が一番苦しい時期にも、ふとした瞬間にコミカルなこと言って、笑ってた私たち。あの笑いがあれば、やっていけ…

吹っ飛ばされたい

とてつもなく優しい夫は、暴力が大嫌いだった。 言葉の暴力も嫌いだし、体をつかった暴力なんて、もってのほか。 私は夫にツッコむとき、ベシッて腕くらい叩くことがあったけど、夫から叩かれたことなんて、一度もない。むしろ、掴まれたり、押されたり、な…

ずっと待つんだったのに

いつもより穏やかな気分で1日が始まったのに、ふとしたことでスイッチが入る。 穏やかになんて、なるわけないのにね。 夫が亡くなったときの音、聞いてないのに、耳に刺さってくる。夫くんが息絶えた姿が、今日はハッキリと浮かんでくる。あんなに一瞬、あん…

ワープ

まだ亡くなって1か月なのか。なんだかものすごく長かったな。それだけ一日一日を生きるのが大変ということかな。今いないことが信じられないけど、少し前までいたことも、信じられない。今こんなに願っても叶わないことが、ほんの1か月前は叶っていたなんて…

人口ピラミッド

私と夫は、どんだけ儚かったんだろう。どんだけこの世でやっていけない2人だったんだろう。なんとなく気づいてたけど、よく色んな人生の話で聞くじゃん?ずっと夢を見て生きて、ある時叶っちゃう話とか、叶わなくてもあれよあれよと新しい幸せにたどり着いた…

夫しかいないのに、夫がいない

夫との何を思い出しても、悲しい。 闘病期間中に、夫と自分の間で何があったか、互いに何をして欲しかったか、どんなことに感謝して、どんなことに苦しんだか、それは夫と私しか、わからない。夫に謝りたいことばかりが、次から次へと、どんどん出てくる。自…

エア・ハグ

アパートの最寄り駅に到着して、駅前のロータリーに降りた。夫と似た色のコートを着た人が、目の前を通る。夫と背格好も違うし、年齢も違う。ただ、男性で、コートの色が似てるだけ。そんな共通点がほとんどない人なのに、待ってましたとばかりに、私の目か…

お籠り特集

今日こそ、最後かな。アパートのクリーニングの日。朝から電車で向かう。 久しぶりの電車移動。久しぶりの街中。こんなにたくさん人がいて、こんなに平和な世界なのに、こんなに穏やかな空気なのに、夫はこの中のどこにもいないんだなと思った。いるはずの人…

経験から生まれた割り切り

夫の闘病中くらいから、私の中で考えが変わったことがあった。 それは、誰かのために、特に家族のために、全力で尽くすということを、諦めようということ。 夫には、100%尽くす。夫と私の信頼関係から、それは間違いない。 でも、夫以外の人には、もっと割り…

申し訳ない気持ち

テレビ番組で、おじいちゃんがお孫さんと交流して幸せそうな姿をみて、夫のお父さんが浮かんだ。夫に対しては無関心な父として長年やってきた義父だけど、子供は可愛いと思うみたい。夫が亡くなった後、街で小さい子供とエレベーターですれ違った時、子供の…

自我に割り込まれる感じ

今日は、夫の最後の数ヶ月について、たくさん考えている。 夫は亡くなるだいぶ前に、もし自分が亡くなることがあれば、誰も葬儀には呼ばないでほしいと言っていた。誰か呼ぶとしても、みんみんと、自分の親だけにしてと言っていた。会話の最後には、みんみん…

サンフランシスコの人

ほとんど見知らぬ人に、連絡を取った。 夫が体調を崩す前に一緒に旅行したサンフランシスコで会った人。路面の洋服やさんで、夫はミントグリーンと黒のチェックの半袖シャツを買った。レジのお会計のとき、お店のお兄さんが、前に日本に滞在していたと言う。…

夫との関係性

元々記憶力が誰よりも悪いから、夫について思い出したくても、思い出せないこともある。言語的な情報としては思い出せても、もっと実感としての視覚や聴覚から感じ取った記憶を、思い出したくても、思い出せない。あるいは、思い出せたとしても、臨場感がな…

予防線のメッセージ

夜中に目が覚めるのが、怖い。真っ暗闇の中で、目が覚めた瞬間に「夫はこの世にいない」と頭を流れる。そのメッセージが私にもたらす意味を考えると、とても恐ろしいことだと想像がつくので、深入りせずに、意識を飛ばす。睡眠欲が旺盛でよかった。あのまま…

ストレス発散法

私のストレス発散法は、音楽かけて、ネットして、ポテチを食べて、ビールを飲むこと。こうして書き出してみると、一度に味覚と聴覚と視覚と、3つもの感覚を駆使してるんだな。リラックスしてるように見えて、実はすごい忙しいことしてるんだな。もしかしたら…

パジャマを着たおばさん

夫が亡くなってから、数えるほどしか外出していない。私は毎日、実家の超セーフティゾーンの中で、パジャマ姿で暮らしている。夫が生きている時は、可愛いって思ってもらいたいから、なんだかんだおしゃれしたり、化粧をしたり、夫が良いと思ってくれそうな…

大切な人へどう伝えよう

夫が亡くなったとき、一番に浮かんだ人がいた。 一番に伝えたいっていうこととは少し違う。この結果を、一体どう報告しよう、と思った人。 その人は、私が唯一、夫のことを隠さず伝えている会社の同僚。会社で文句なく一番優秀な人。飛ぶ鳥を落とす勢いで破…

どうしたら夫の写真を見て喜びだけ感じられるか

夫のこと考えるのが、苦しいな。 午前中は夫と自分の写真を見てたけど、だんだん夜になって見るのがつらくなって、今は見ないようにしてる。夫のでっかいフレームの遺影、お葬式の日からずっと自分の部屋に置いてて、仕事中も真正面に立てかけてる。距離にし…

私はだあれ?

気づけば、夫の写真を見てる。 何もしたいことがないから、ただ写真を見て、なんか胃が痛いなあって思ってる。 思い出を振り返って、「私がひどいこと言ったのは、この晩だから、その前後で夫の表情違うかな」とか、「どこから限界になっちゃったのかな」と…

幻の新居

夫が亡くなって以来、最長の夜更かしかもしれない。 アパートも残すは主にクリーニングとなって、なんとなく今週やらなくてもいいか、なんて思ってるが故の夜更かしかな。まだクリーニングの業者を探して、予約しないとなんだけどね。こういう手続き、面倒く…