優しくて可愛くてかっこよくて大好きな夫と死別しました

事故か自死か。夫が消えた人生をこれから歩みます。なんて自分が書いてることが信じられない35歳です

吹っ飛ばされたい

とてつもなく優しい夫は、暴力が大嫌いだった。

言葉の暴力も嫌いだし、体をつかった暴力なんて、もってのほか。

私は夫にツッコむとき、ベシッて腕くらい叩くことがあったけど、夫から叩かれたことなんて、一度もない。むしろ、掴まれたり、押されたり、なんてされた記憶も、全くない。夫は、私が道路にはみ出そうな時だって、進行方向が間違ってるときだって、そんな咄嗟の瞬間だって、そっと腕で包んでくれた。触れるか、触れないかくらいふんわりと。

そんな夫が唯一脅威となったのは、距離感がよくわかってなくて、よく私にぶつかったこと。背の高い夫の隣にぴったりくっついていることの多かった私は、夫が咄嗟に振り返った瞬間なんかに、ぶつかられることが多かった。ちょうど、夫の肩が私の頭の高さで、夫がブンと振った肩が、私の顔面を直撃することが多かった。その時の夫の慌てようと、私の漫画みたいに突然吹っ飛ばされてる図が、いつも面白かった。

夫は、「ごめんごめんごめんごめん!!!みんみん、大丈夫だった????ごめんね!!」ってすごく謝ってくれた。でも、謝りながら、ちょっと笑ってた。私も吹っ飛ばされながら、笑ってた。

昨日、夫のカーディガンに抱きつきながら、またこの肩に吹っ飛ばされたいなと思った。

恋しいよー。