優しくて可愛くてかっこよくて大好きな夫と死別しました

事故か自死か。夫が消えた人生をこれから歩みます。なんて自分が書いてることが信じられない35歳です

家族ネタは検挙

ずーーーーーん。

 

どよーーーーーーーん。

 

がびーーーーーーーーん。

 

夕方に差し掛かって、目先20cmにある夫の遺影を見ていると漂う気持ち。

闘病が一番苦しい時期にも、ふとした瞬間にコミカルなこと言って、笑ってた私たち。あの笑いがあれば、やっていける気がしてたのにな。ふざけるのが好きな私も、さすがに夫が亡くなったことは、まだギャグにはできないな。ときどきしてるけど。してるな、ときどき。

写真の中で笑う夫を見て、この人誰だったっけ、と思う瞬間もある。遺影の写真、やっぱり若すぎたかな。夫が20歳のときのだもんな。可愛すぎて、触りたくなっちゃうくらい、ほっぺがツルスベ。この子があんなに苦しんだんだな。ていうか、この子に愛してもらってたのか。なんていうラッキーな人なんだ私。

夫の遺影を見ながら、謎の客観視をして、自分の超タイプなルックスに見入ったりもする。全部のパーツの配置が好き。夫に出会って最初の晩、家に帰ってきて母親に、私が神妙な顔つきで言ったらしい。

「・・・・ものすごく素敵な人に出会ったの・・・・きっと誰もが恋に落ちてしまう・・。」

その後、夫を実家に連れてきたとき、母親はピンときてなかったけど!笑 私にとっては、その時も、今も、大好きなお顔なんだ。

これからも一生、この実家の中で過ごしていいのならば、こうやって夫を懐かしみながら、淡々と余生を生きていくことくらいはできるかもしれない。余生の長さも、できれば最長5年くらいで。

少しでも外界にでていくことを考えると、途端にものすごい津波が襲ってくることを想像してしまって、無理無理無理無理と思う。親友にすら、結局連絡とっていない。やりとりする中で敏感に反応してしまう自分が怖い。

夫の生前、私が一番よく連絡をとっていた親友は、こうなった今、私にどう声をかけていいのかわからないみたい。それは不思議じゃない、私ですらわからないから。今の私が変に反応せずに自然と応じられるネタは、天気とか、日の長さとか・・・・くらいかな笑 このお菓子美味しいよとかも、ギリギリいける。でも、それ以上に創造的なことは、2分超えると苦しくなる。息苦しくなって、集中できなくなって、意識が他の悲しい考えに流れていって、泣いたりする。自分、無理してるんだなと話してて思う。

そんな私の状態を知らない親友は、「電話しよう!うちの旦那もでられるよ!」とメッセージをくれる。なんとも言えない気持ちになったのでスルーしていたけど、また連絡をくれる。「今年のクリスマスはお祝いするの?」うーん、だいぶ血迷ってるな、と思って、やっぱり出産直後で彼女自身ものすごく大変なんだろうなと思い、育児が大変だろうとねぎらうメールを返信してみた。すると、「うん、すごく大変、〇〇君がいなかったら、無理だった!」と返してくれる。

全然全然全然悪くない。親友はぜんっぜん悪くないんだけど、今は、それに私がついていけないんだ。全然関係ない話だし、反応してるのが変なんだけど。

私は何度か親友の旦那さんに会ったことがあるから、私と旦那さんの間にも個別の友情があると思ってくれているのかもしれない。でも、ごめん、そこは、親友の旦那さんという位置づけだから、ちょっと違うんだ。不思議だよね、だって会社の男性とやり取りしても何も感じないのに、家族構成が視野に入った途端、私が意識して、苦しくなっちゃう。

もう、家族ネタに過敏すぎて、家族ネタポリスみたいになってるな。みんな、前から家族いたじゃんね。人間なんて家族が増えて繁栄してるんじゃんね。別に今に始まったことじゃないのにな。でも、テレビ見てても、人の話聞いてても、家族ネタの検挙が止まらない。