優しくて可愛くてかっこよくて大好きな夫と死別しました

事故か自死か。夫が消えた人生をこれから歩みます。なんて自分が書いてることが信じられない35歳です

予防線のメッセージ

夜中に目が覚めるのが、怖い。

真っ暗闇の中で、目が覚めた瞬間に「夫はこの世にいない」と頭を流れる。そのメッセージが私にもたらす意味を考えると、とても恐ろしいことだと想像がつくので、深入りせずに、意識を飛ばす。睡眠欲が旺盛でよかった。あのまま眠りに復帰できる体質で助かった。太陽のない暗闇の中で、あんなメッセージと横たわっていることは、とても苦しい。

次に目が覚めたのは、朝だった。一番に意識上で流れるメッセージは同じ。「夫はこの世にいない」。自分が勘違いしないよう、まるでそのメッセージが流れることがプログラミングされているよう。

いつも早起きの祖母が、今日は寝坊して、隣で寝息が聞こえる。目をつむると、私の頭を考えがかすめる。「あの寝息は夫?」

あり得ないと思うのに、ほんの瞬間的にそう自分に問いてから、いや、夫なら私の右側に寝てたから、左から聞こえるわけない、と納得する。この一瞬だけ、まさか、と思った瞬間だけ、少しだけ錯覚ができる。錯覚が覚めたときに、悲しくなるほどでもない、自分の中での意識遊びのようにも感じる。

最近、時々夫も関係ないような、くだらなーい夢を見る。まるで普通の日々につながっていきそうな夢。朝起きれば、そのまま、なんてことはない一日が始まるかと思って自分は寝ている。そこから目が覚めて、あのメッセージが頭を流れるのが、まだ慣れない。慣れていく他、方法がないんだけどね。