優しくて可愛くてかっこよくて大好きな夫と死別しました

事故か自死か。夫が消えた人生をこれから歩みます。なんて自分が書いてることが信じられない35歳です

強者のポリシー

仕事をしていると思う。嫌な人なんて、この世の中にいくらでもいる。

嫌な人にこそバチが当たればいいなと思ってるけど、私が知ってる嫌な人は、全然バチなんてあたりそうもない。少しでも抵抗をかぎ取ったら、どこまでも私を追いかけてくる。目つきが殺気立っているから関わりたくもなくて、私が殻にこもって閉じても、まだ追いかけてきて、外から危機一髪みたいに剣を刺し込んでくる。私が痛めつけられて完敗して苦しむ姿を喜んで待ってる。別の日には、私が関係ない場所をふらふらしていると、横目にじっと睨んでいる。好かない言動があると、目の中に問題意識の炎を燃やして駆けつけて、また首根っこ掴まれて、何か強制される。

また別の日には、よくわからない「ランチ」とかに誘われる。愛情があるって伝えようとされる。ないよ、全然。私をつぶそうとしかしてないよ。考えてみたら、私の嫌な人、みんなそうだ。ランチだの、送別会だの、開こうとされる。散々私のことを痛めつけた上で。ランチって言葉、大っ嫌い。なんだランチって。お昼ご飯って言え!!こう言う人には、バチはあたらないんだと思う。バチがあたらないように、自分を守るために、どこまでも攻撃性を高めているから。私みたいな人を脅威と思って、叩きのめすことに心血注いでいるから。

世の中はドミノみたいになっていて、私はまた私で、自分より弱い人に攻撃をしてきたんだろうな。殻に閉じこもった人に、とどめを刺しに追いかけたのかな。その一人が、夫だったのかな。こんな嫌な人たちと自分を一緒にしたくないのに、書き出すと、同じようなことしてる。私も夫を追いかけて追いかけて、追いかけたな。殻にこもってるのに、こじ開けようとして剣で刺したな。最後は、物理的に殻をこじ開けたところで、亡くなってしまったな。

書きながら、似てるけど、私自身は、違うって思ってることに気づいてきた。でも、違うって夫に言って欲しいんだな。でも伝わってないかな。私が大嫌いな人たちと自分が同じになりたくないな。違うって言って欲しいな。一緒くたにしたら、想像したより苦しい。

一つ信条があるとしたら、私は自分より若い人は絶対に追い詰めたくないと思ってる。年長者の自分が、強い立場にあるとわかっているから。それは相手がどれほど有能でも、どれほど癪に障る生意気者でも。自分より弱者に対しては、やらないんだ。夫は私より若いし、弱者だったから、私のポリシーでは対象外なんだけどな。なんだろ、このポリシー。

夫はいつも私のこと優しいって言ってくれたから、きっときっと違うと信じよう。一緒にするのは、なんかつらいや。