人口ピラミッド
私と夫は、どんだけ儚かったんだろう。
どんだけこの世でやっていけない2人だったんだろう。
なんとなく気づいてたけど、よく色んな人生の話で聞くじゃん?ずっと夢を見て生きて、ある時叶っちゃう話とか、叶わなくてもあれよあれよと新しい幸せにたどり着いたり。そんな感じで、ふわふわやっていけばいいのだと思ってはじまった。
夫は、一度きりの人生だから、夢に挑戦したいと言った。みんな、その夢を応援したいと思った。今でも私は、夫に足りないものは才能なんかじゃないと思ってる。夫ならきっと、誰にも描けない世界を描けたと思ってる。夫に足りなかったのは、図太さとか、ずるさとか、鈍感さとか。開き直りだって、足りなかった。
そう考えると、この人間の人口ピラミッドは、上に上がるに連れて、夫のような人を削ぎ落として、私のように自己都合で解釈を変えるような図太い人間ばかりのし上がっていくのだろうか。一体この先はどんな世界になってしまうんだろうか。
若さは、なんて美しいんだろう。若さは、なんて明るく幸せな世界観をもたらすのだろう。私は、その美しい世界を抜けて、夫もいない中で、この先をひたすら図太く、自己都合で進んでいくのだろうか。
死んでしまうなら、巻き添えにして欲しかった。私は自力で死ぬ勇気はないから。私1人を残してなんか欲しくなかった。
夫くん、ひどいよ。