優しくて可愛くてかっこよくて大好きな夫と死別しました

事故か自死か。夫が消えた人生をこれから歩みます。なんて自分が書いてることが信じられない35歳です

ベッドタイムストーリー

過去は覆せないってことが、こんなに辛いなんて。

死んでなければ、やり直しはきく。

夫が生きていれば、圧倒的苦難の中から、2人で抜け出すために、私は人生を捧げたのにな。

絶望の波に飲まれそうになりながらも、夫が見せてくれる一瞬の笑顔や優しさにズキュンときて、明日もきっと一緒にいられますようにと願ったのにな。それが打ち砕かれて、もう叶わない。自分だけ、2021年に残ってしまった。私だけ、35歳の健康体で、残ってしまった。

永遠と思ってた人との時間が、たった14年で終わってしまった。2人とも長生きすると思っていたから、想定では70年一緒なはずだった。なんて、短かったんだろう。私はこれから長生きしたら、それだけの年数を夫の思い出だけ噛み締めて生きるのか。生きるなら、噛み締めたくない。噛み締めるなら、生きたくない。一人で噛み締める時間なんて、辛いだけだ。どれだけ夫に呼びかけたって、質問したって、遺影は可愛いすぎる顔で笑ってる。悲しすぎる。
今月もまだまだ夫に謝りたいことがでてきそう。リストが長くなりすぎて、最終的には立派な巻物ができあがるだろう。そしたら平安時代にワープして、十二単でも着て夫に読み上げて差し上げたい。
やっぱり絵本でも、書こうかな。私はベッドタイムストーリーみたいな軽いお話を作るのが好きで、夫との4コマも書いたし、昔は昼休みに会社から夫に電話で延々お話をしてた。私が社会人、夫がまだ学生で、私は昼休みになると会議室にお弁当と携帯電話を持って籠った。竹橋のビルからお堀を眺めて、お弁当を広げて、夫に電話する。お話は夫が主人公だった。お話には、色んなサイズとか気性の夫がでてくる。どでか夫くん、夫くん、チビ夫くん、どチビ夫くんなど、沢山いた。どでか夫くんは片足が千代田区に入ってる設定だった。それくらい、どでか夫くんは、大きい。そんな設定で毎日お話を即興で作った。夫はとても面白がってくれて、ケラケラ笑ってくれた。あんな時間が、懐かしいな。あの時は、幸せだったな。笑ってくれる夫くん、可愛いかったな。