優しくて可愛くてかっこよくて大好きな夫と死別しました

事故か自死か。夫が消えた人生をこれから歩みます。なんて自分が書いてることが信じられない35歳です

暇なのか、怠惰なのか、虚しいのか

毎週末同じことなので、今更書き立てることでもないのだけど、今日もまたなーんにもせずに、過ごしている。元からとても面倒くさがりで、自分のために時間を使うということに意味を見いだせないタイプなのかもしれない(頼まれたり頼られると生きがいを感じるタイプ)。夫は逆に、自分のために時間をたっぷり使うことに長けていた。本を読んだり、趣味のチャンピョンズリーグの情報を収集する時間がたくさんあると、幸せなように見えた。

自分のために時間を使うことが苦手な私は、余暇があれば、ネットに充てることが多い。ネットに若干の中毒症状があるんじゃないかと思うくらい、延々とスマホを見て過ごす。これは、夫がいる頃から同じで、ただずーっとYahooに出ているニュースやゴシップを読み続けるという行為。実生活では、会社の〇〇さんとか、ご近所の△△さんとか、ぜんっぜん関心がなくて、なんなら誰のどんな個人情報も記憶しないのに、こういうトレンドニュースを追いかけ続けるのはなぜなんだろう?何の欲なんだろう?きっと、源流は同じなんだろうけど、全てゴシップ欲なのかな。。。

私がよく、布団に入ってからもスマホを見ていたので、ある日夫から、「みんみんって、いつも夜寝るときスマホで何見てるの?」ってどストレートな質問をされたことがあったっけ。「えっ、そんなまっすぐな目で聞かないでよ!!」と子供に質問されたお母さん状態だったけど、その時ももちろんネットニュースしか見ていなくて、それを改めて言葉にして伝えるのが恥ずかしくなり、「なんにも見てないよ」というなんとも言えない返事をした。いや、あきらかに見てるよ、ネットニュースを、ただただ延々と。

今はそんな、時にアジアの純真のような質問を投げかけてくれる夫もいなくなり、私はまた、日中からずーっと、ネットを見ている。見ても全然気持ちは晴れないのに、寝っ転がる時間が多いから、ついスマホに手が伸びて、そこから、ただずーっとスワイプスワイプしている。

いや、今日について言えば、正確には、ほんの少し他のこともした。朝起きたのが10時で、朝ごはんを食べて自室に戻ってきたのが11時前。そこから12時半頃まではスワイプ地獄をしていた。そこから、iPadで絵を描いた。そうだそうだ、そんな生産的な行動があった。自分を模写して、色付けとか陰影をつけたんだった。それも1時間くらいだろうか。その後、2時からはお昼の素麺をつくった。ネギとしそを庭から取ってきて、わかめのナムルと、天かすもつけて、冷やしそうめん。それもすぐ食べ終わって、3時くらいからまたスワイプ地獄。4時半まではやっただろうか。その後30分くらい、布団を畳んで、チェストのほこりをはらって、掃除機をかけた。窓を開けて換気した。17時からは、冷やしておいた355mlのGOOSE IPAの瓶ビールを飲んだ。夫と何度も生ビールを飲んだ銘柄が、近くのヨーカドーで売っていたので、飲もうと買っておいたものだ。それからお酒で気持ちが楽になるかと思いきや、やっぱり落ちてくるので、また17時半頃から19時半まで、スワイプ地獄。もちろん、1日を通じて夫を思い浮かべて涙を流す小休憩を数回挟む。そうして、私の土曜日は、今に至る。

むしろ、一人で過ごすのに他に何するの?という感じでもある。

料理だってしたし、掃除だってしたし、絵だって練習して向上心見せたし、自分にご褒美みたいなビールだって飲んだ。それでもスッカスカの隙間時間が、あまりに多い。

向上心を持とうと思って、1ヶ月ほど前に図書館から借りたカズオ・イシグロの本は、最初の数ページ読んだだけで、(貸し出し延長もしたのに)読み進める気が起こらず、返却した。何を隠そう、読書熱が高まると良いなと思って村上春樹さんの洋書も併せて借りたけど、こちらは開きもせずに返却した。図書館が、無料でよかった。

要は、私はとてつもない面倒くさがりで、ズボラなのである。本当は散歩とか、少し気分転換に出かけたい気もするけど、着替えたり、顔を洗ったり、化粧をすることがとても面倒に感じられる上に、プライドが高いので完全なるすっぴんとかボサボサすぎる頭ではやっぱり出かけたくないのだ。

結局のところ、平日に働いていれば確かにお金はもらえるし、今後も何不自由なく暮らすことができる。でも、お金を貯めて、一体どんな日々が待ち望んでいるというのか。どんなに働いて、お金を貯めても、仕事から離れればこんな1日だ。こんなどうしようもない1日を、心の中では帰ってこない人を思いながら過ごす意味は、まだまったくわからないのである。