優しくて可愛くてかっこよくて大好きな夫と死別しました

事故か自死か。夫が消えた人生をこれから歩みます。なんて自分が書いてることが信じられない35歳です

夫が好きな私

 

私は夫に可愛いって思ってもらうことが嬉しかったから、夫の前ではぶりっこしていたと思う。だから、のびのびしてる私を好いてくれてるのかなと思ってた。童顔で、ちょっとコミカルなところとか、面白がってくれるのかなとか。

でもそれは私が自分で自分を好きなところなのかもしれない。

私は、自分の真面目なところが好きじゃない。融通が利かない、意地を張ってしまうような、正しいと思うことを追求してしまうような。もっと緩めたら、楽な道があるのに。他の人がチャラチャラできるときに、チャラチャラできない自分が格好悪くて、悩んだこともたくさんあった。

でも、夫の作品を読んで、なんとなくこれは私の描写なのかなと思うものがあった。

その女の子は、たたずまいがキリッとしている。声も落ち着いて、優しいような、真面目なような、ソフトなような、譲らないような、そんな描写だった。

夫は、もしかしたらこんな私が自分で好きじゃないところを、好いてくれていたのかなと思った。もっとおちゃらけて、可愛らしく、無鉄砲に見せたいのに、本当はクソ真面目でうまくいかないときにグッと一人で口をヘの字に組んでいる私を、見てくれていたのかな。

そんな格好悪い姿を認めてくれたからこそ、一緒にいられたのかな。

夫に聞いたときに教えてくれなかった私の好きなところが、なんとなく読み取れた気がした。

そんなとこまで、夫は静かに見てくれていたのかな。夫しか、そんなとこ見てくれないよ。

ああ、ほんと、切ないな。