優しくて可愛くてかっこよくて大好きな夫と死別しました

事故か自死か。夫が消えた人生をこれから歩みます。なんて自分が書いてることが信じられない35歳です

死別者の日常

夫が亡くなってから、今日でひと月半が経った。時間がとてつもなく長く感じる。毎日毎日、これが現実なのか、現実だとしたら、どれほど恐ろしいことが起こってしまったのかと、考えは堂々巡りを続けている。

別に普通に過ごす時間もある。もともと面白いことが好きなので、冗談を言って家族を笑わせることもある。亡くなった直後は見なかったテレビも、多少眺めていられるようになったし、美味しいものを食べれば、また食べたいなと思う。

でも、自分の中の悲しみはもちろん、強烈な後悔や無念な気持ちは、微動だにせず鎮座してる。別にそんな気持ちを消したいわけではなく、おかしいと思っているわけでもない。このことはこれから一生続くと頭ではわかっていても、どうにも進展も解決もできないこの経験を、今後そのままずっと担う自信もあまりない。軽んじてしまえば自分が許せず、全身で受け止めれば潰れるほど重たい。どうしたいと言う考えもない。どうしたら良いか分からず、どうもしたくない。

夫の夢への登場が解禁されたらしく、昨晩はさりげなく何度も現れた。登場が散発したので、内容も忘れてしまったけど、起きたら夫を恋しく思う気持ちが、私の中に飽和してる。

夫とは交際中から離れているときはいつも電話で連絡を取っていた。電話を取ると、最初に名前を呼んでくれた。その声をよく覚えている。「あ、みんみん〜?」と言う甘い声と、夫の優しい表情で頭がいっぱいになる。あんな風に呼んでくれる人は世の中に1人だけなのに、いなくなったなんて、受け入れ難い。どうしようもなく苦しくなって、もがく。

夫が亡くなってひと月半。私の1日は、そんな風に始まっている。猛烈な悲しみと、くだらない日常が、ハッキリとした反対色で対をなして、まだらにまざりあう。その乱高下の中を、私を乗せた簡素な手漕ぎ舟が、無防備な一寸法師のように流れていく。