優しくて可愛くてかっこよくて大好きな夫と死別しました

事故か自死か。夫が消えた人生をこれから歩みます。なんて自分が書いてることが信じられない35歳です

夫だった

夫を感じるためのアパート滞在だったけど、夫がいる気がしないので、今日も呼びかけとか話しかけはしなかった。ポテチ食べながら、1人だと減りが遅いなあ、夫くんが好きなピザポテトだから、海苔塩とかが好きな私はあんまり進まないわ、と思って、「食べてる〜?」って天に向かってきいた。

しかし、瞬間的に、なんで自分が夫に話しかけるのに天に向かってんのかなとか、思っちゃうね。

夫はまだ、明日電話したら大都会の中のどっかにいそうと思う。酔いが回って、尚更そう思えてきた。

私はなんて弱く、ずるい存在なんだろうなあ。夫が感じたエモーションや、経験した絶望を、ないがしろにして、まだ生きてるんじゃないかなんて、思いたがってしまう。一体自分が、事実関係をどう捉えているのか、甚だ不思議なことがたくさんある。自分の感性みたいなものも、保身のために脳のレベルで大いにコントロールされているように感じる。苦しいことは感じない、悲しいことも感じない、みたいな。全部、自己都合。

夫は私にとって、大きすぎる存在だからなあ。こんなに自分が恋に落ちて、あらゆる感情を誰かに向かって狂おしいほど持つことがあるなんて、想像もつかなかったから。恋人という中身のないポジションに、とてつもない意味と喜びを、全く私が予測がつかない規模で持ってきてくれたのが、夫だった。まるで意図していないかのように、自然体すぎるとぼけたくらいの表情で。自分自身が誰かと、これほどまでに合致したパズルピースのような関係になることを、想像したことがなかった。その体験をくれたのが、夫だった。好き、とかでは表現できない、超越的なもの。まぁ、世間ではその超越的なものが結婚となるのだろうけど、とにかくそういう経験をくれたのが、夫だったんだ。夫だったんだよ。夫だったからね。