優しくて可愛くてかっこよくて大好きな夫と死別しました

事故か自死か。夫が消えた人生をこれから歩みます。なんて自分が書いてることが信じられない35歳です

遺品整理のメソッド

最後のアパート滞在が終わった。今、がらんとしたアパートでこれを書いている。

夫が亡くなる前から転出の予定があって、亡くなったのと時期を合わせたように引っ越し準備が始まり、思いがけない遺品整理となった。

夫の荷物を義両親と私で分けて、残ったものは廃棄か売るか。

本当はもっと時間を置いてからやりたかったけど、こういう時間軸が定まっていたから、亡くなって1ヶ月以内に遺品整理。持ち主がいない中で仕分けをするってこういう気持ちなんだ。

一つ一つのものに自分の気持ちが何か結びついている。まさにこんまりメソッド状態。

そのアイテムを夫と買った時の様子、使っている場面、その時の夫の表情、自分自身の表情、全てが蘇る。夫に似合っていたおしゃれなブランド服たちは、手元に置くよりも、世の中のかっこいい男性陣に着てほしいと思って売ることにした。こんなに腕も足も長い素敵な男性なんて、世の中にそうそういないけどな!!!ガハハハハ。

夫が特に愛着なくて着ていた新品同然のスーツは、古着回収。きっと無償で使ってもらえたら誰かの仕事に結びつくかもしれない。

手元に残すのは、服を見るだけで夫の姿を思い出す服。大体が10年選手の服たち。最初に出会ったときに着ていた服、ここぞというデートのときにビシッと決めて着た服、リラックスして家にいるときに必ず着た服、私がプレゼントして大切に大切に着てくれた服。そして、苦しい闘病期間に繰り返し着ていた苦しい記憶の服。苦しみの服をどうするか悩んだけど、目に入るたびにその服を抱きしめたい気持ちに駆られて、そのまま実家に持ち帰ることにした。死別の方のブログで、お相手の方の洋服をジップロックに入れていらっしゃる方の記事を読んだ。すごい、そこまでやるのか、と思ったけど、夫が最期に持っていた服は、今警察の方が回収した際の大きなビニール袋に入っていて、開けると夫の匂いがした。こりゃ、私もジップロック街道まっしぐらかな。

今、売るための洋服たちを洗って、ベランダで乾かしている。雲ひとつない空の下で、真っ直ぐな日差しを浴びた夫の服が揺れてる。清らかな空気が、夫はもうここにいない、と言っているよう。