NHK「ある、引きこもりの死」を見た
見終えての感想。苦しくなるかなと思ったけど、苦しい気持ちとは少し違った。自分たちもその渦中にいたからか、変なショックよりも、現代の現実として見た。他の人は、これにどう対処し、どういう結果にたどり着いているのだろうと思った。思いながら、前まではそれを参考にできたのだけど、今は参考にする対象すら失ってしまったと気持ちが重たくなった。
夫は、この番組に出演された人たちと同じように苦しんで、苦しんだ末に、その先にある死まで到達してしまった。夫はそれこそ仕事とか未来など、色々な悩みを抱えていたけど、何よりも深い悩みは「孤独感」だった。「ものすごく孤独。僕にはみんみんしかいない」体調が安定して心を開いてくれた時に、そう言っていた。私だけでは、足りなかったんだ。それか、私の心すら、どこか離れていると感じていたのかもしれない。そんなことは誓ってないのに。その真意だけは通じていると信じていたのに。夫は、いつも愛を求めていた。ずっとずっと、もっとたくさんの人の関心と愛を求めていた。夫のその要求を知っても、私の力では誰も振り向かせることはできなかった。いくら時間をかけても、向き合ってくれなかった人もいる。少し関わったものの、サジを投げて消え去った人もいる。もっともっとたくさんの愛で包んであげたかった。最後の一縷の希望であった私さえ、夫をズタズタに傷つける言葉をぶつけたのだから、夫に逃げ場はなかったよね。こんなに重たい事実を自分が人生で背負うことになるとは。そして、こんなに大切だった夫を助けることができずに亡くすとは。
夫は死ぬか生きるかの重大な局面で、私がいる方角とは反対に向かって進んでしまった。何よりも大切な夫と、私がそんな関係になってしまったことは、反省と後悔しかない。
我が家も、まったくNHKの番組に出られる当事者だな。