優しくて可愛くてかっこよくて大好きな夫と死別しました

事故か自死か。夫が消えた人生をこれから歩みます。なんて自分が書いてることが信じられない35歳です

2週間後

悲しみがまだ深くなる

こんな悲しみと苦しみを経験しなければならないんだろうか。 生きることの喜びを教えてくれた人を突然失うという苦しみ。 その苦しみを乗り越えても、その先にはただ夫のいない世界が広がるだけ。 こんな運命が夫と私を待っていたなんて。 3年前はただ幸せに…

死別の悲しみ

食欲は、ある。 仕事も手につかないけど、やってはいる。 睡眠もぐっすりとれている。 今日なんかは、このあとずっと先延ばしにしていた婦人科のガン検診に行こうかなとすら考えている。 生きるための気力はあるし、今後数ヶ月で悲しみは少しずつ和らいでい…

夫との別れ

2泊3日の義両親の滞在中、3人はそれぞれの気持ちを持ち寄って、毎晩夜中まで気持ちを吐露しあった。考えていることは3人3様、それぞれの方法でこの大きすぎる苦難への救いの道を求めていた。恐らく胸の中にある感情を書き出したら、3人とも同じ。大切な人を…

小さな幸せ

この週末、義両親が来る前に私一人でアパートに到着した。 1人で来るのは2回目。鍵を開けて玄関の扉を開けると、中に夫の存在を感じた。 誰もいない部屋に向かって、夫の名前を何度も呼び、話しかけた。 「夫くん〜?どこにいんの〜?」 「あれ、洗面所の方…

遺品整理のメソッド

最後のアパート滞在が終わった。今、がらんとしたアパートでこれを書いている。 夫が亡くなる前から転出の予定があって、亡くなったのと時期を合わせたように引っ越し準備が始まり、思いがけない遺品整理となった。 夫の荷物を義両親と私で分けて、残ったも…

信じて欲しい

書きにくいこともある。書くことで気持ちがネット上の文字として一面的になり、私の心にある以上の意味や重みが表現されてしまうもの。 白黒つけるのとは違う、重たすぎるambiguousな気持ち。悪意のない底なし沼に吸い込まれていく。 夫はこの沼で育ち、夫た…

抑えることなく恋しがる

今日も義両親とアパートに泊まる。 四十九日までは夫の魂はこの世をフラフラしてるんだって。今年いっぱいは近くにいるのか。じゃあ、やっぱり無理して切り替えモードじゃなくて、目一杯恋しがって甘えるモードで行こうかな。そしたら気づいて会いに来てくれ…

出かけるのは夫に会いに行くためがいい

今日もアパートに向かう。この実家の最寄りの駅から、1時間かけて都内までよく通ったな。週末は都内のあらゆる場所でデートした。私は貧乏学生の夫にこれでもかという量のお弁当を作って、パンを焼いて、ケーキやクッキーも焼いて…いつも時間がかかりすぎて…

家探しはまだまだまだ

今日は夕飯を食べながらテレビを見た。 淡々としたニュースは害がないし、実は明るいバラエティとかも問題ないんだけど、なぜか情報番組とかで、一般家庭のごく普通の生活の営みを見るのがきついと気づいた。今はこういう衣食住の判断に追われる生活から隔離…

薄情ってなんだ

私が夫の苦悩に寄り添えなかった理由や、苦しみから救えないどころか、その最たる死というものに突き落としてしまった理由について、自責の念はあるけれど、それと同じくらい他責的な考えが日々浮かんでくる。むしろ、死の直後は自責が大部分を占めていたの…

生きたままにしておきたい

夫が亡くなって、本当はやらないといけない手続きがいろいろあるようなんだけど。 なーんにもやってない。 死亡届出しただけ。 いつか、なんかめちゃくちゃ怒られたりするのかな。 世帯主は私だから、いいよね。 夫が亡くなったことを認めたくないから、行政…

苦しんで当然

もう受け入れても受け入れたくなくても夫はこの世にいない。 今日は気持ちの乱高下が激しいな。さっきまでみんな外出した実家の中で、夫の名前を大声で呼びながら家中探してた。午前中、5年以上前に夫とケータイでやりとりした可愛すぎるメッセージたちを見…

にわか女優

夫と幸せの絶頂の日々が10年以上あって、その時間が永遠だと信じてた。この2人でいれば、苦しいことも、悲しいことも、絶望だってさえ、へっちゃらだと思ってた。 今、へっちゃらじゃなくて、2人のうち1人が息絶えてしまった。 葬儀屋さんが準備してくれた遺…

夢の中の予行演習

そうだ、今朝見た夢を思い出した。 まだ伝えてない友人2人に、夫が亡くなったと伝えて、泣きまくる夢。 ちょうど亡くなった直後にやり取りのあった友人には伝えていたけど、まだ伝えてない友人もいる。 みんな大切な友人なので、いつか伝えたいけど、夢の中…

活かせなかった写真パワー

夜中に目が覚めて、朝まで少し浅い眠りになったようで、夢を幾つか見た。 何かの夢で夫が出てきたけど、手紙だか書き置きとかでの登場で、本人はいなかったような。私の夢コントロール力、すごいな。まだ夫の登場に向けて気持ちが準備できないし、昔の優しい…

メンタル強い人

私は思慮深そうな一面もあるけど、実態としてはあさーい。私はあーだこーだと考えることは好きだけど、自分にとって一番の痛点は無意識と言えど、避けて考えていると思う。 世間では、これをメンタル強いとか、精神が安定してるとか言うのだろう。別の言葉で…

瓜二つの子に会いたかったんだ

夫と一緒に生きていくことに唯一苦悩があるとしたら、それは夫との結婚生活では、私が欲しかった子供を授かれないかもしれないということだった。 元々、私がちっちゃい子が大好きだから、夫も話を合わせてくれていたのか、何歳くらいで子供を授かりたいね、…

焦っていた自分

夫の闘病が始まって、私は目の前の状況にあらゆる喪失感を抱いていた。 健康で朗らかだった夫が、もがき苦しんでいるという現実。 深い信頼で結ばれた夫と私が、お互いを責め合っている現実。 それ以外に、自分が人生で求めていたもので、手に入らなくなった…

夫に思い出の人になってほしくない

今はまだ夫のぬくもりが私の周りにわんさかあって、夫も私も同じように仔犬感があったのだけど。これから1年、2年と経つうちに、夫は写真の中で、昔の恋人みたいになってしまうんだろうか。 5年、10年と経つうちに、夫だけツルツルのお肌で可愛い顔して笑っ…

悲しい、悲しい、悲しい

もう悲しさしかない。 あの人の全てが無になったのが悲しい。 あの人格、思考、愛、声、体、魂全部が、消失してしまった。 私が世の中で一番大切に思っていたものが無くなってしまった。失ってしまった。 あの人のすべてが私の中で私の意思によって再現され…

苦難への対処方法は人それぞれ

夫が亡くなったことについて、私は死ぬまで実感できないと思う。ここ1週間くらい、人の死を実感することの難しさを痛感するし、今実感できなければ、記憶が薄れて美化されていく未来は一層できないだろうなと思う。 それでも、会話や文章では「夫が亡くなっ…

洋服たちとのお別れ

夫が亡くなる2ヶ月くらい前だったか、2人で夕飯後に一緒に散歩してるときに、私が「昔の服、捨てよっかなあ」と言った。 夫は、少し間をおいてから、悲しそうな声で、「捨てないで」と言った。 「なんで?」と聞き返すと、「だって、懐かしいじゃん」と言わ…

夢みがち人間の残酷

コロナで停滞している世の中だけど、私だけのことを考えれば、命拾いをしている。 もはや生きる意味を持ってない私だから、私なんかが命拾いするより、生きたいと思ってる人が生きられるコロナのない世界の方が全体最適ではあるんだけど。 この停滞した世界…

夫と足を縛って暮らせば良かった

秋晴れの朝は、白い朝日と自分の中の真っ黒な絶望感のコントラストが苦しいのだけど、灰色の曇り空の朝は、自分だけでなくて世界全体が暗くて、救済の光みたいな雲間もなくて、雲に蓋をされて、苦しみの中に閉じ込められる感覚。ま、清々しい気持ちで私が起…

遺影は古い写真が良いかもしれない

本当に自分はせっかちだなと思う。 夫も天国で思ってるとは言わないけど、もし今のわたしを見たら、「みんみん、もう少しゆっくり僕のこと考えてよ〜」と言うと思う。 私が夫と最後にいつ穏やかな時間を過ごせたかな、なんて振り返るのは、自分の気持ちの整…

衝突と後悔

夫が亡くなる前、最後に会ったのが10月下旬だったから、今から1ヶ月以上前。亡くなってからは2週間ちょっとなのに、もうしばらく会ってない気がする。 元気で健康なときの夫には、もう2年以上会えてないし、その前にも夫は1年間くらい、夢を叶えようと力を振…

並んだ布団

今日は日中よく泣いた。泣きすぎで、今は頭が痛い。よく泣いた理由の一つは、今日アパートに行ったからかもしれない。アパートは気持ちが巡りすぎて苦しいけど、夫を感じられる場所でもある。今日はどんな気持ちになるだろうと思いながら、実家にいるより夫…

蚕のまゆ

夫がこの世にいなくなって、残された私には2つの合理的な選択がある。 1つは、夫と同じ場所から同じ方法で同じ運命を辿り、夫と同じ経験ができたことに一人悦びを感じること。あの世とか来世で夫と会えるか会えないかなんてわからないけど、夫がいない世界に…

立場の逆転

こんなことを夫に言ったら怒られてしまうと思うけど、私と夫が逆の立場だったら、どんな展開になったのだろう。 こういう世界に踏み込む前に、私が何か病気になったら、夫はどう励ましてくれるのかなと考えたことがあった。思い浮かべていたシナリオとしては…

死の音

何かの病気のように不可避のものでもなく、突発的な事故というわけでもなく、家族間の言動が絡み合って夫が亡くなったということに、また改めて後悔の念が湧き、あの日あの時あんなことをしなければ、こういう結果になっていなかったという単純明快な方程式…